さて、謎にまみれた曲者な曲です。
開幕、深見さんです。
「何故です?何故この子を方伯家の世継ぎとして認めてくださらないのです?」
「その話なら終わったはずだ」
「妾腹だから?いえ、この子の体が不自由―─」
「くどいぞ!アンネリーゼ」
「あぁ…ごめんなさい。全部母が、あなたをそんな風に生んだこの母が悪──」
「くどいと言っている!」
「あぁっ…」
「…アンネリーゼ。あなたの気持ちは痛いほどわかる。それでも私は…あなたを、許さない」
大川さんの声が無駄にカッコイイw
この曲はテレーゼの物語です。
光を知らない坊や(メル)。
視力というその概念自体解らなかった、との事なので先天性ですね。
背中に抱きつき、「おかあさん(ヌッティ)。ひかり、あったかいね」と無邪気に笑った。
幼子メルのボーカロイドβ、半端ねぇわ…。
さて、ここで視力という概念自体を知らないメルの言う「ひかり」とは何か。
童話で「光だと思っていたのは誤りで、その温もりの名は愛だと後に知った」とありますが、まだ明確には結びつけられません…。
そして幼子メルの声はボーカロイドです。
人形エリーゼの声と歌は、初音ミクです。
人形には人形の声を使うと言う拘りが今回はあるらしいので、幼子メルの声がボーカロイドであると言う事は、つまりメルもエリーゼと同じく、最初は人形だったと言う事なのでしょうか?
戻って。
テレーゼの謝罪。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
アナタを産んだのは、私です、私です、罪深い《私》です……。
これは難しい…。
ボーカロイドのくだりがあるからなぁ…。
テレーゼは産んだ事よりも、自分に対して罪深いと言っています。
罪ありきの出産と言うことか。
そして続く大塚さんのナレーション。
「母にして姉であり、断罪者にして贖罪者であった、テレーゼ・フォン・ルードヴィングの知られざる物語……」
母にして姉。
この表現が多くのローラン達を悩ませています。
産んだ事が罪深く、母にして姉と言う事から、多くのローランが父親との近親相姦を連想しました。私もね。
しかし、母にして姉と言う表現は、何も1人に対しての表現とは限らないんですよね。
妹の子供を育てている場合にも、表現的には当てはまる。
でも何かしっくり来ないんですよね…贖罪者って言葉がひっかかって。
戻ります。
幼いメルを連れて森に移り住みんだテレーゼは、贖罪の日々を薬草を集めて煎じたりして過ごす。
神に祈っても届きはしない、ましてや罪を抱きながら祈る事など出来ない。
せめてあの子の為に、出来る限りの全てを遣りもしないで、嘆いてなどいられない、と。
そして彼女は他人の傷や病を癒やしたり、流産しかけた赤子を取り上げたりする様になり、いつしか森に住む賢女と噂されるようになった。
その噂は千里を駈け廻り、やがて皮肉な運命を導く事となる。
メルの目を治す為に集めた知識が、いつしか村人達を救う術になったのでしょう。
そして運命の夜。
駈け込んできたのはお忍びの侯妃。
「この子はまだ死んでなどおりません!私には…私にはわかるのです!何故なら前日まであんなに元気だったんですもの…私は認めませんわ!将来は必ずや美人になるはずの子です、私の娘ですもの!帝国中の殿方が放っておきませんわ。困りましたわ…ふふ。いえ、もうそんなことどうでも良いのです!生きてさえ…生きてさえいてくれれば…!」
「ソフィ様、お気を強くお持ち下さい!賢女殿を信じましょう」
希望の灯りを信じて駈け込んできた侯妃に抱かれた侯女は、もう息をしていなかった。
その幼子を託して、妃は泣き崩れた。
救われる命があれば、奪われる命がある。
それを因果応報と切り捨てても良いのだろうか。
井戸から響く声。
「Horst du mich, du stehent?」
(そこにいる君、私の声が聞こえるか?)
「dann kann mir du glauben…grab mich aus…」
(ならば私を信じて大丈夫…私を掘り出してくれ…)
テレーゼは声に導かれ、何かを掘り起こしてしまった模様。
そしてとても不思議な出来事によってメルは光を手に入れたが、それが果たして幸福な事だったのか、今となってはよくわからない、と。
光を手に入れた(人間になった?)結果、メルは井戸に墜ちて"死んで"しまう訳で。
そう考えると、やっぱりメルは人形だったのだろうか…。
そして「童話」で捕まってしまったテレーゼのその後へと繋がります。
「デューリンゲンの魔女だって…怖いね、お兄ちゃん」
「ああ…いい子にしていないと魔女に…食べられちゃうぞ!」
「うわっ!…もう!」
「はは!」
童話の冒頭ね兄弟でしょう。
グリム兄弟だったら面白い。
次男は谷井あすかで確定だな。