最終回と言う事で、3時間スペシャル。
このドラマの何が凄いって、キャスティングの絶妙さ。よくもまぁ、これだけのキワモノを揃えましたよね。素晴らしい。
原作知らないんでキャスティングの良し悪しは解りませんが、ドラマのキャストは実に面白い。
ヨコヤに、異色の経歴を持つ鈴木一真を持ってきたのが特に面白すぎる。
最終回で3時間、どうするのかと思ったら、中盤まで1話からの回想だった。
見逃した回とかあったので、嬉しい配慮。
フクナガ役の人の演技が上手いので、フクナガが参加してからは格段に面白くなった気がする。ウザイ演技が上手いって素晴らしいw
ナオを見ているとイライラする人は、多分かなりの割合で居ると思う。
私はイライラしてしまいます。
それは、かつては誰しもが持っていた筈の感情を、ナオは変わらず持っているからなんでしょう。
いつからか、人を疑う事を覚えてしまったら、人を信じるという感情は、心の深淵に成りを潜めてしまう。きっとこれは自衛手段なのでしょうね。
見返りなんか求めず、騙され続けてもまだ、純粋に人を信じる事の出来るナオは凄い。
最終回、私なら迷わずヨコヤを切り捨てると思います。ナオみたいに救ってやろうなんて思わない。
そもそもヨコヤは、人を散々騙しまくって、正直者のナオに足元を掬われ、自滅した訳なんだし。
しかしヨコヤでも、最後は疑う事を止め、秋山の言葉を信じた。
卑怯者の代名詞みたいなフクナガでさえ、隠れて組んでいたヨコヤの言葉を聞いて、かつて自分が同じ発言をしていたと気付いた時、ナオの言葉を思い出してヨコヤを裏切った。
フクナガなりのケジメの付け方。
結局人間は、最後の最後、追い詰められないと気付かない。
自分の中にある、かつて心の深淵に隠した、信じるという気持ちを。
ドラマは、この世の中自体がライアーゲーム。
今日もどこかでゲームの招待を受けた者が震え、怯えている。そんな終わり方でした。
正直者で良い、全てを疑ってかかるよりずっと良い。騙されたって、騙すよりずっと良い。
ナオはそんな考え方なんでしょうね。
今更ナオのような純粋さは取り戻せないかも知れません。
しかし、誰だって産まれた時から人を疑う術を得ている訳ではないのですから、心がけなんでしょうね。
嘘をつかない、まずはこれを心がけようと思った梅雨の夜。